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2014.01.15

競技紹介

競技紹介

自転車競技には、大きく分けてトラック、ロードの2種類があります。
日本ではまだどちらもマイナー競技ではありますが、欧米ではサッカーなどに並ぶほどの人気のあるメジャースポーツです。

最近では世界大会における日本人選手の活躍や、2020年の東京オリンピック競技選出など国内でも盛り上がりを見せています。



トラックレース

カント(傾斜)のついた競技場・競輪場で行われる種目です。ブレーキのついていない競技場専用のトラックレーサーを使用します。
日本ではケイリンのイメージが強いですが、実際トラックレースにはそれ以外にも下記のように多くの種目があります。

◎スプリント◎


予選ではフライング200mのタイムを計測し、その上位16名が決勝戦に進みます。本選では2名の競技者が笛の合図でスタートし、先着した選手が勝者となる競技です。バンクを規定周回走り、ゴール手前約200mまで双方が仕掛けるタイミングを図りながら、様々な駆け引きを行います。ゴール手前の爆発的なスプリント合戦がこの競技1番の特徴です。

◎チームスプリント◎

チームスプリント

チームスプリント


1チーム3名(女子は2名)で編成され、3周のタイムトライアルで競われるレースです。それぞれの選手が1周回ずつ先頭を引いた後、チームから離れ、最後の一人がゴールしたときのタイムの優劣によって勝敗が決まります。だんだんと人数が少なくなっていく中での、衰えないスピードやチームプレーが魅力です。

◎タンデムスプリント◎

二人乗り用の自転車を使い、行う競技です。競技内容は普通のスプリントと同じですが、ペアのコンビネーションがカギを握っており、いかに二人の呼吸を合わせることができるかがポイントとなっています。



◎ケイリン◎

6~8名の選手が横一列に並び、スタートして2kmの距離で着順を争う競技です。先頭を走る選手の風除けのためにペースメーカーが先頭を引きます。ペースメーカーが引く、フィニッシュ手前600m~700mまでの間、選手たちはベストポジションをキープするため、駆け引きを行います。最後の周回で勝負が決まり、そのスピードは見ものです。


◎1kmタイムトライアル(500mタイムトライアル)◎

個々のタイムを計測し、いかに早く走りきるかを競う競技です。時に時速58kmにまで及ぶスピードが魅力の一つとなっています。1/100秒まで測定され、1/100秒差で勝敗が決まることもあり、いかに最後までタイムを落とすことなく走りきることができるかが重要になります。男子は1km、女子は500mで行われます。



◎個人追い抜き(インディヴィデュアル・パーシュート)◎

個人追い抜き

インディヴィデュアルパーシュート

ホームとバックから2名の選手が合図と共にスタートし、反対側からスタートした相手を追い抜くか、早く走りきった者が勝者となります。完走タイムの優劣によって勝敗が決まるため、一見単純に思われますが、細やかなペース配分がされています。男子は4km、女子は3kmで行われます。


◎団体追い抜き(チーム・パーシュート)◎

団体追い抜き

4名で力を合わせ、相手チームを追い越すことを目的に4kmを走りきる競技です。先頭交代を行い、空気抵抗を受ける選手を変えていくことによって、いかにスピードを落とすことなく走りきるかがポイントとなります。団体種目ならではのチームワークが見ものです。


◎スクラッチ◎

スクラッチ

定められた距離を走り、フィニッシュ順位を競う競技です。ゴール着順のみで順位が決定されるため、トラックのロードレースとも言われています。ペース配分、他の選手とのけん制など、集団走行の中でのテクニックと、最終スプリントが重要な要素になります。


◎ポイントレース◎

ポイントレース

20名~30名の選手によって競われ、獲得ポイント数が多い選手から順位がつけられていきます。2kmごとにポイントラインが設けられ、通過順位で点数が与えられます(1位通過=5点、2位=3点、3位=2点、4位=1点)。また周回UPした選手は20点が加算されます。持久力やペース配分、他の選手の得点を計算しながらのレース展開など、様々な要素が求められる競技です。



◎マディソン◎

ポイントレースを2人1組で交代しながら行う競技です。ポイントレースの迫力に加え、マディソン・チェンジオーバーといわれるチームプレーが魅力です。走路を上段と下段に分割して、下段はレースのエリア、上段は休憩のためのエリアとし、自分たちのスピードを落とさないように交代しながら得点やラップを重ねていきます。



◎エリミネイションレース◎

エリミネーション

スタートしてから一定周回ごとに、ゴールラインを最後尾で通過した選手が落ちていく競技です。そのため、スピードよりもチームプレーがカギを握っており、いかに他のチームを前に出さないか、前方でレースを進めることができるかが重要になります。最後まで残った競技者が勝者となります。


◎アンノウンディスタンスレース◎

アンノウンディスタンス

選手も競技役員も走る距離を知らされず、スターターが走行中に号砲を鳴らすと同時に周回数が知らされる変則レースです。号砲がなったあとはスクラッチと同じように先着順によって順位がつけられていきますが、号砲が鳴る前に行われる駆け引きがポイントとなっています。


◎オムニアム◎

1日で4種目(スクラッチ・テンポレース・エリミネーション・ポイントレース)が行われ、その成績をポイントに置き換え最終順位を決定する、トラックレースの複合競技です。2018年度よりインカレ正式種目となりました。



ロードレース

ロードレーサーを用いて公道を走行します。ロードレーサーには変速機やブレーキが付いているなど、長時間のレースに対応できるように作られています。ロードレースもトラックレースと同様、いくつかの種類があります。

◎ロードレース◎

ロードレース

ロードレース

数十km~長いものでは200km弱にまで及ぶ過酷なレースです。リザルト上は個々の成績が出されるため一見個人競技に見えますが、チームの戦略や駆け引きがレースの中にちりばめられており、チームプレーがレースのカギを握っています。ゴール前のスプリント勝負、レース中に仕掛けるアタックなど、見所が多くあります。

◎クリテリウム◎

クリテリウム

短く設定されたコースを周回するレースです。ルールは基本的にロードレースと同じであり、ゴールするまでの所要時間を競います。コースは平坦かつ、コーナーの多いコースとなっています。ロードレースと違い、何度も選手を見ることができるのが特徴であり、比較的首都圏内でも行うことができます。

◎タイムトライアル◎

大人数で出走し、他人との駆け引きを行うロードレースとは異なり、ひたすらにスピードを追い求めて規定距離を走りぬく競技です。
内容としてはトラックの1kmTT、4km個人追い抜きに近いものがあります。タイムトライアル競技は空気抵抗を極限まで減らすために作られた専用のTTバイクを用います。同じTTでも以下の2種類があり、ツールドフランスなどのグランツールでも何ステージか取り入れられます。


・個人タイムトライアル(個人TT)

個人タイムトライアル

一定時間ごとに選手が出走し、完走タイムで順位を競う競技です。ロードレースと違い1人で走るため、空気抵抗を直接受けます。そのため、個々の力が出やすいことも特徴です。

・チームタイムトライアル(TTT)

チームタイムトライアル

一定時間ごとにチーム全員が出走し、チームごとのゴールタイムを競う競技です。一定のペースをいかに刻めるか、先頭交代をいかにうまく行えるかがカギとなっています。かたちはトラック競技の団体追い抜きと同じです。



写真・文:早稲田スポーツ新聞会